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育児・介護休業法の改正について

弁護士ブログ

育児・介護休業法の改正について

弁護士 山中 麻椰

令和4年10月1日、育児・介護休業法が改正されました。

労働者に対する個別の制度周知・休業取得の意向確認が義務化され、有期雇用労働者についても無期雇用労働者と同様の扱いがなされる等改正点は多くありますが、注目すべきは出生時育児休業の新設ではないでしょうか。

出生時育児休業とは、子どもの出生後8週間以内に、4週間(28日間)まで休業を取得できる制度です。さらに、分割して取得できますので、例えば、子どもが生まれてすぐに一度取得し、その後、手伝いに来てくれる親族が帰えるタイミングでもう一度取得するという申請をすることが可能です。

また、育児休業についても、夫婦ともに分割して2度取得することが出来るようになりました。母親の職場復帰のタイミングで父親が育児休業を取得したり、保育園の入所が出来ない場合に夫婦が交代で育児休業を取得して育児を行う等、柔軟な働き方ができるようになります。

今回の改正では、育児休業を取得しやすい雇用環境整備が義務化され、労働者が1000人を超える企業については、育児休業取得状況の公表が義務化(令和5年4月施行)されることになっています。

私が好きな「ミステリと言う勿れ」(田村由美・小学館)という本の中で、主人公がメジャーリーガーの選手を例に出し、海外の人は子どもの成長に立ち会うことを『権利』であると考えているのに対し、日本人は『義務』だと思う人が多いという説明をするエピソードがあり、これに大きな感銘を受けました。

今回の改正により子育てをしながらの働きやすさや将来の子育てを念頭においた就職先選びのしやすさといったものだけでなく、社会の子育てに対する意識も変革することを期待しています。


弁護士 山中 麻椰

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