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2005/06/20
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会┃社┃法┃ ┏■ 8月22日(月)■━━━━━━━━━━━━┓
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講┃演┃会┃ ┃弁護士と会計士による改正『会社法』(2回目)
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┏━【第10号の目次】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┃ ■ 住宅リフォームと高齢者 弁護士 石川 和弘
┃ ■ 弁護士岩崎の気になる判例 弁護士 岩﨑 優子
┃ ■ 弁護士大崎の気になる判例 弁護士 大崎 康二
┃ ■ 事務所からのお知らせ
┃ ■ 編集後記 編集者 石川 和弘
┃
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【 住宅リフォームと高齢者 】 弁護士 石川和弘
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住宅リフォームと高齢者というタイトルで話をする場合、2つのテーマ
をあげることができます。
1つ目は、リフォーム業者とは呼べない悪質業者によるもので、「床下
点検商法」といわれているものです。認知症の高齢者を主なターゲットに
して、一軒家で1人暮らしまたは高齢の夫婦だけで生活している世帯に訪
問販売するという形態です。
床下に調質剤を撒いたり、耐震補強だと称して「突っ張り棒」みたいな
ものを設置したり、ファンを置いたりするだけで数百万円を請求し、複数
の業者(ただし、実際には、同一組織のようです。)が入れ代わり立ち代
りすることによって、短期間に数千万円のお金を巻き上げられたというケ
ースもあり、私自身がその解決に力を入れている分野です。
1件1件は、弁護士による救済を図ることが可能ですが、これは氷山の
一角で、実際には弁護士に相談しないで被害にあったままになっているケ
ースがたくさんあるはずです。なぜなら、高齢者は、被害に遭ったこと自
体に気づかない、被害に遭ったことは認識しているが弁護士に相談すると
いうことが思いつかない、人に相談することが恥ずかしい、などという場
合が多いからです。
そうなると、親族や周りの人が、何か変わったことはないかどうか、気
遣ってあげる必要がありますし、認知症が進んでいる場合には、財産の管
理を信用できる第三者に委ねるように、成年後見の申立てをしたり、任意
後見契約を締結しておく必要があるのです。
お近くに、そのような方がいたら、遠慮せずに、石川宛てに、ご連絡く
ださい。私が北海道社会福祉協議会の顧問をしているため、このメルマガ
は、多くの福祉・介護関係の方に配信させていただいています。高齢者の
被害を防ぐという観点からご協力お願いいたします。
2つ目は、既存不適格建物と耐震改修ですが、この問題は、また、別の
機会に、このメルマガで述べさせていただきます。
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【 気になる判例 】 弁護士 岩﨑 優子
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(競業避止に関する合意を締結していた会社の執行役員が、退職後、競業
会社に転職した場合において、右合意が公序良俗に違反しないとされ、会
社の顧客に対する販売促進活動等の範囲で差し止め仮処分命令の申立が認
められた事例)
(平成16年9月22日東京地裁決定)
1 事案
この事件は、医薬品の広告宣伝等を業務としている会社(A)の執行役員
だった者(B)が退職後2年間は競業に従事しないとの合意をしていたにも
かかわらず、競業会社(C)に転職した後に Bが中心となってCではもとも
と行っていなかったAと同様の医療用医薬品の販促プロモーション活動を行
ったため、Aがこのような合意に反する行為を差し止めて欲しいという処分
を裁判所に求めたというものです。
2 判決内容
裁判所は、そもそも退職後に競業避止義務を負わせることは明確な合意、
かつ合理的な範囲内で無ければならないことを前提に、上記の事案ではこ
の合意はBの職業選択の自由を不当に害するとまでは言えず有効であり、
それに反してBは競業行為を行っているためAの営業上の利益が侵害される
おそれがあるとしてAの請求を認めました。
3 解説
「終身雇用制」という言葉が影を潜め、労働者がさまざまな企業で自由に
勤務する風潮が広がっていることを実感として感じます。
そのような風潮の広がりとともに、雇用していた労働者が競業会社に転職
する機会は飛躍的に増加しているともいえます。
労働者を雇う企業にとっては、労働者が退職後元の会社で知りえたノウハ
ウや情報を転職した先の競業会社で利用され、営業上の利益が侵害される
リスクが増しているということです。
このような事例が裁判所に持ち込まれること自体が、企業と労働者の間に
おいて、そのリスクが高まっていることを示すものと言えます。
労働者の退職後の競業禁止については、明確な合意がない限り労働者の職
業選択の自由を制約することになるため認められないというのが有力な見
解のようです。皆さんの会社では、退職後の競業禁止について合意を取り
交わしているでしょうか。
また、合意を取り交わしていたとしてもその合意内容があまりにも広範で
あったりすると、労働者の職業選択の自由を不当に侵害するということで
無効もなりかねません(合意を取り交わしても意味がなくなってしまうと
いうことです)。
なお、この裁判では執行役員だったAの責任が問われていますが、一方で
Aを含めた形で「労働者」一般についてその退職後の競業避止義務につい
て論じており役員であったか否かは特に区別して論じられていません。
企業は、将来を見据え、人を見極め、負うべきリスクを最小限にしなけれ
ばいけないのだとあらためて考えさせられる裁判例です。
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【 気になる判例 】 弁護士 大崎 康二
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勤務時間中の私用メールを理由とする懲戒解雇が無効とされた事例
(福岡地裁H16.12.17)
1 本件は、学校の先生が勤務時間中に出会い系サイトに投稿していた
ことを理由に懲戒解雇にされたことに対し、解雇の無効を争って、学
校を訴えたというものです。
2 学校側の言い分は、この先生のPCのメールはその半数が出会い系
サイトへの投稿であったこと、投稿の内容はSMの相手を求めるもの
であったこと、投稿の中で本名・職業・学校名を明かしていたこと、
この先生が進路指導課長という管理職で特に品位が求められべき立場
にあったことから、投稿により学校の名誉・信用が著しく傷つけられ
たというものでした。
勤務時間中に出会い系サイトに投稿してしまう点もさることながら、
そこで本名と学校名まで出してしまうというのですから、この先生も
だいぶ脇が甘いと言うか、非常にのんきな方ですが、学校側の本音と
しては、この先生が校長と対立してきたという経緯から、これを口実
にクビにしようというものであったようです。
3 裁判所は、出会い系への投稿による業務への支障は少ないこと、投
稿だけで直ちに学校の名誉・信用を傷つけたとは言えないこと、学校
内にPCの使用規定がなかったこと、本人が反省していることを汲ん
で、懲戒解雇は処分としては重過ぎるので無効としました。
裁判所の判断は、懲戒処分は懲戒理由と相応の内容でなければならな
いという従来からの判断基準に従ったものであり、穏当な結論という
ことができます。
4 たしかに、進路指導の先生がSM大好きでしたというのでは、学校
としても生徒の父母に申し訳が立たないのでしょうから、懲戒処分と
いうはわかりますが、いきなり解雇というのは乱暴すぎるでしょう。
せめて、勤務中は投稿しないように指導を繰り返し、減給等の処分を
行ってきたのに、一向に改善されないといった事情でもない限り、私
用メールを理由にクビにすることは許されないと思います。
5 この裁判は内容が内容なので、新聞・TV報道の対象となったので
すが、その影響なのか、翌年の入学志願者数が激減したそうです。因
果応報といってしまえばそれまでですが、やはり懲戒処分を行うに際
しては、慎重な対応が求められるといういい例であると思われます。
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┃■┃ 事務所からお知らせ
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┃■┃編集後記 石川 和弘
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高齢者が悪質業者の被害に遭うのは、住宅リフォームばかりではありま
せん。被害をなくすには、法律の改正や関係機関に活動などが重要ですが、
高齢者被害の特徴は、被害者が声をあげないということにあります。周囲
の人が、見守ってあげる必要があります。
~次号は、7月1日(月)発行予定~
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