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『マンション売買における重要事項説明』
2008年03月26日[ 不動産売買 ]
今月のテーマ『マンション売買における重要事項説明』
今回の勉強会は、前半がマンション売買における重要事項説明について、過去に紛争になった事例をもとに、講師の石川和弘弁護士が解説を行ないました。また、後半は賃料の増減についての説明でしたが、こちらについては紙面の都合により、別の機会を待ちたいと思います。
勉強会の最初に、不動産売買で紛争になるケースには、
- 説明不足によるもの
- 虚偽の説明によるもの
- 不確実な事項について断定的な説明をしてしまったもの
という3つの類型が散見される前提をお話しして頂き、その後、関連する判例をいくつか紹介して、上記の1から3のうち何れに起因するのか、そして原告がどのような主張をし、裁判所がその主張をどのように判断したのかという点について解説して頂きました。
今回事例として取り上げたのは、
- 防音性能に関する事例
- 暴力団入居者に関する事例
- 景観・眺望に関する事例
- ポンプ室の騒音事例
- シックハウスの事例
という5つのケースです。
筆者も本稿の取材として、勉強会に参加させて貰ったのですが、とりわけシックハウスの事例は、非常に興味深いものでしたので、以下にご紹介させて頂きます。
取り上げた事例は、販売時に配布されたチラシに(シックハウス症候群を引き起こす)ホルムアルデヒドの放散量が少ないと明記されているにも拘らず、購入後に測定してみると厚生労働省が指定する基準値のおよそ8倍にあたる量が放散されていたというケースで、原告はこの建物がいわゆるシックハウスであり、居住不可能であるとして、瑕疵担保責任に基づき、売買契約を解除したうえ代金の返還と損害賠償を求めたという事例です。
石川弁護士によれば、シックハウス症候群に関する事件は、非常に骨の折れる事件であり、売主の瑕疵担保責任を追及して、解除または損害賠償を認めてもらうには、2つの大きなハードルがあるそうです。
1つは、そもそもその人が本当にシックハウス症候群なのかという問題です。この点については、未だ医学的にも明確な判断基準が設けられていないそうです。また、医師によっては、シックハウス症候群という病気そのものを認めない人さえいるとの実状を知り、驚きを隠せませんでした。
もう1つは、買主がシックハウス症候群になったとして、何が原因であったのかという問題です。前述したホルムアルデヒドが家の中にどのくらい放散されているかを測定することは可能ですが、それが必ずしも建材から放散されているとは限らないわけです。家具から放散されている場合もあるし、患者がお子さんである場合には、学校が放散している場合も充分に考えられます。そして、これらが複合的に原因となっていることも少なくないわけで、そうなった場合には、もはや原因を突き止めることが極めて難しくなるのです。
今回紹介されたケースは、やや特殊で、チラシの記載にある建材が使用されていたために、裁判所が瑕疵の認定はしなかったといえます。
但し、損害賠償としては、マンション購入に関わる損害のみが認定され、身体被害については、賠償の対象となりませんでした。やはり上記の2つのハードルは高いものです。
当勉強会は、このように各回のテーマに沿った事例を考察しながら、それを参加者それぞれの業務にどう生かしていくかという視点で運営しています。
また、毎回たくさんの宅建業者の方に、多忙の中、参加頂いておりますが、それを象徴するように、途中で商談と思しき電話がかかってきて中座する方や、本業を終えて息を切らせてやってくる方が相当数いらっしゃいます。それでも、毎回の参加者数が少なくないのは、やはり得るものが大きい勉強会であるということの証明ではないでしょうか。宅建業に従事する方はもちろん、一般消費者の方にとっても、興味深いお話しが聞けると思いますので、ぜひ一度足を運んでみることをおすすめします。
次回は5月20日(火)実施の予定です。参加ご希望の方は当サイトの勉強会・出版のページよりお申し込み下さい。










