震災と労働問題
2011年05月02日
3月11日に東日本大震災が発生しました。被災されたました方々へはお見舞い申し上げるとともに早期の復興をお祈りいたします。
さて、震災の復興は当然のことながら、被災された方々は、まず、現実の生活に直面されておられることと思います。
そして、震災から約1か月半が過ぎようとしている現在においては、お金の問題が発生しているものと想像します。
ここで、被災された方々の給与の問題についてお話しさせて頂こうと思います。
今般の震災後に、震災によって就業することができずに札幌に帰郷された方から震災後の給料は支給されるのかという質問を幾度か受ける機会がありました。
結論からいいますと、ケースバイケースではあるものの原則として賃金を請求することはできません。
労働者からしてみると、自分に何ら非がなく仕事をすることができないだけなのに給料をもらえないのは納得できない部分があるかもしれませんが、民法536条によって労働者が働くことができない場合には使用者にその原因があるとき(帰責性)だけ給料を請求することができることとされています。
そして、今回の震災は政府が想定すべきであったか否かは議論の余地があるようですが、一般の企業が今般の震災を想定して就業に不都合がないように備えることを要求することはできず、使用者に帰責性があるとはいえません。
したがって、原則として上記の結論となりますが、ここで注意が必要な点は、上記結論が一人歩きして今般の震災を理由に使用者が労働者に対してなんでもできるという勘違いをしないことです。
今般の震災でもその被災の程度は地域によって様々です。震災の影響によって売上が減少したために解雇することはたとえ震災の影響があったとしても厳格な要件のもとにしか許されません(整理解雇といいます)。
雇用問題は、被災者にとって今後その問題性が顕在化するものと思われますが、「震災」の一言で全て泣き寝入りする必要はありませんので、まずは、専門家に相談することをお勧めします。










