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法律コラム

不動産業者のための袋地売買のすすめ

2011年04月11日

弁護士 野谷 聡子

2 私道とは

一般的に、私道とは、一般私人が所有し、維持、管理する道路と定義することができます。これは最も狭い意味での「私道」です。

道路とはいえ私人が所有する土地ですので、その土地をどのように使い、あるいは、処分するかは、所有者である私人の自由であるのが原則です。所有者だけの判断で道路の使用方法を決めたり、道路としての使用を廃止することもできるというのが出発点であり、そこに他者の通行権や、道路位置指定などの行政処分が加わることで、所有権の行使に一定の制限が加わるというわけです。

この点、不動産業者の方とお話していて誤解があると感じるのは、「私道」という概念に、私人が所有する土地(道路)であるという以上の意味づけをしている場合があることです。この誤解は、「私道」と「公道」の区別が正確でないと言った方が正しいかもしれません。

いくつか誤解例をあげますと、土地を登記する際には土地の種類として「地目」を記載するのですが、不動産登記法上の地目として「公衆用道路」というものがあります。これは文字通り、公の使用に供されている道路、という意味なのですが、この公衆用道路して登記されている土地は、たとえ私人が所有していても「公道」と看做される、と理解している方がいました。しかし、私人が所有する道路であれば、その地目が宅地だろうが山林だろうが公衆用道路だろうがそれは「私道」であり、そこに公衆用道路として登記されていることによる公的な規制や措置が加わるということに過ぎません。私人の所有地である以上、この地目が将来変更される可能性はありますし、地目変更に伴い行政上の取扱いが変更・廃止される可能性もあるのです。

他にも、建築基準法上の道路位置指定を受けている道路は、たとえ私人が所有する道路であっても、土地の売買契約書の重要事項説明書において、「公道」として記載して良いと理解している方もいました。しかし、私人が所有する道路である以上、建築基準法上の道路位置指定を受けていようと、建築基準法上の指定道路であろうと「私道」であり、重要事項説明書には「私道」と記載しなければなりません。そのうえで、私道ではあるが建築基準法上の接道義務を果たしている土地であるということを記載する必要があるのです(道路位置指定や接道義務については、次回以降で取り上げます)。

また、各種の法律の規制は、それぞれの法律の目的に従って課されるものですから、対象となる土地(道路)が公道か私道かで規制の要否が直ちに決まるものとも限りません。そのため、例えば、私道に道路交通法上の規制が及ぶかという点についても、一見、道路交通法は公道の通行に関するルールを定めた法律のようにも思えるのですが、よくよく考えてみると、道路交通法は、道路の危険を防止して交通の安全と円滑を図ること等を目的とする法律である以上、私人が所有する道路であっても、人や車が自由に通行している道路には、その交通の安全と円滑を図る必要があるので、道路交通法の規制が及ぶということになるのです。

次回は、所有するということに関連して、不動産売買では頻繁に登場する共有概念について確認したいと思います。

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