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介護新聞・さらに一言(第6回)
2010年07月29日
スプリンクラーの設置問題と関連する問題として、昨年の3月に群馬県でおきた施設の火災事故で10名が亡くなられたのは記憶に新しいかと思います。
そして、同事故について、今年の2月に施設を運営していた法人の理事長及び理事が逮捕され、業務上過失致死罪で起訴されたという報道がなされました。
この火災事故は、ご利用者のタバコの火の不始末が原因と言われておりましたが、不可抗力の事故とは判断されず、避けられた事故であり施設側に過失があるとして、責任者である理事長及び施設長だった理事が業務上過失致死罪で起訴されたものであります。
今回は、火災事故と刑事責任についてご説明します。
まず、刑事責任とは、警察が捜査をし、検察官が刑事処罰を求めて起訴することにより行われるものであります。金銭の支払等を求めて当事者が訴えを提起する民事訴訟とは手続及び内容は全く異なります。
そして、誰が刑事責任を問われるかという主体についてですが、事故の発生を避けるために、防火上の対策を講じることのできる立場にあるにもかかわらずそれを講じなかった方、すなわち、法人の代表、管理責任者に該当するような人物が責任を問われることになり、事故に直面した介護職員が責任を負うことは原則考えられません。
次に、なぜ責任を問われるのかという理由についてですが、厚生労働省の設置基準等の客観的な基準への該当性のみならず、施設側が具体的にどのような危険性を認識していたのか、それに対して施設側でどのような回避策をとっていたのかという点に着目して、注意義務違反の存否を判断し、注意義務違反が存在する場合には、責任が問われることになります。
この火災事故では、建物の耐火性が低かったこと、火災報知機が設置されていなかったこと等設備面の問題点やご利用者の室内の喫煙を黙認していたこと、避難訓練を実施せず、避難経路の確保も不十分であったこと等施設の対応面の問題点を指摘し、注意義務違反が存在するとして、検察官は起訴したものであります。
一見して不可抗力と思われる事故も、十分な事故防止策をとっていないことで責任者が刑事責任まで問われる可能性があります。
ですので、施設の責任者の方は、施設内に潜む危険リスクについて十分に注意を払って日常の業務にあたってほしいと思います。










