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介護新聞・さらに一言(第2回)

2010年07月01日

弁護士 石川 和弘
弁護士 福田 直之

裁判における「事実」とは

介護新聞の記事の中で再三にわたり、記録の重要性ということをお話しています。

なぜ、記録が大切なのか。その理由は、「真実」と裁判の「事実」が異なるということにあると考えています。

社会的な事実は一つであり、真実は当然一つです。しかしながら、裁判は、真実が何かを明らかにするのではなく、証拠に基づいて合理的に認められる「事実」とは何かを明らかにし、その事実をもとに法的な判断を行う場所です。

事故が発生し、適切な見守りが発生しなかったことを理由として訴訟が提起された場合、施設側としては、「しっかり見守りをしていた」ということを「証拠」で明らかにすることが必要です。

担当者の「ちゃんとやっていました。」という証言等も証拠にはなりえますが、担当者はいわば身内の人間の話ですので、裁判所の証拠としての価値の評価は低いでしょう。そこで、客観的な書面等の証拠が必要になり、その中でも日常から記載をしている介護記録等の資料が重要になります。

これらの証拠で「しっかり見守りをしていた」という立証ができなかった場合、裁判の中では、しっかり見守りをしていたとまでは認められないとされ、結局この事実はなかったものとして扱われてしまいます。普段からしっかり見守り介護をしていたとしても、記録上何らの記載がなかったら、それは、裁判上では、しっかり見守り介護をしていなかったことと同じと評価されてしまいます。

裁判は「証拠」が必要不可欠です。裁判対策のために普段から記録をつけておくという考え方をお勧めしているわけではありませんが、普段からの記録が自分や施設側を守る証拠にもなりうるということを頭の片隅において普段の介護業務に従事していただければと思います。

本編はこちら (介護新聞 2010年7月1付)
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