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法律コラム

不在所有者に対する協力金条項

2010年02月08日

弁護士 野谷 聡子

分譲マンションは、区分所有者全員で構成される管理組合によって、共用部分の管理や設備の管理・修繕等を行っていますが、昨今では、区分所有者の高齢化やマンションに居住しない区分所有者(以下、「不在所有者」と言います)の増加等により、管理組合運営の中心を担う役員のなり手が少なくなり、管理組合運営の負担が一部の居住区分所有者に偏っているという状況が問題となっていました。このような状況の中、一部の管理組合では、当該マンションの区分所有権を有しているものの、第三者に賃貸するなどして当該マンションに居住していない不在所有者に対して、一定額の「協力金」の負担を負わせるという条項を管理組合規約に設けるようになってきています。つまり、管理組合の運営が当該マンションに居住する区分所有者により行われており、不在所有者は、かかる運営業務の負担を負うことなく、居住区分所有者による管理運営の恩恵だけを受けている。かかる不公平を是正するために、不在所有者に、管理運営業務を担わないことと引き換えに経済的な負担を求めるのが協力金条項です。

平成22年1月26日、最高裁第3小法廷は、この協力金について、有効であるとの判断を下しました。事案は、1971年分譲の中津リバーサイドコーポ(大阪市北区、4棟、14階建)です。総戸数868戸のうち、およそ5分の1に当たる約180戸は区分所有者自身が居住していない(賃貸物件ないしは空室)状況にあったため、同管理組合は、2004年3月から協力金負担を定める規約を設け、2007年3月には、協力金を月2500円とする規約改正をしましたが、不在所有者5名(計12戸を所有)が協力金の支払を拒んで訴訟となりました。

最高裁は、本来は全区分所有者が平等に負担すべき管理組合の運営業務等が居住区分所有者にのみ負担させられており、かかる不平等を是正するため不在所有者に対して一定の協力金の負担を求めた規約は有効であるとして、不在所有者の支払義務を肯定しました。

管理組合の運営が停滞することは、当該物件の保守管理が十分に行われなくなり、ひいては物件居住者全員の住環境が悪化するという結果を招来します。今回の最高裁判例を受けて、協力金を管理組合の役員報酬とするなどの方法により、管理組合運営の活性化を図ることも検討すべきでしょう。

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