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新型インフルエンザと介護施設の法的責任
2009年10月13日
新型インフルエンザが流行し、最近の報道では、新規患者数が33万人にのぼったとのことです。19日からは、予防ワクチンの接種が始まるようですが、冬に向かって患者数がさらに増大する可能性は否定できません。
高齢者施設の職員の方、利用者のご家族の方などには、新型インフルエンザの感染が非常に気になる話だと思います。今回は、インフルエンザ感染と施設の法的責任の関係についてお話したいと思います。
以前のメルマガで、施設側には、介護契約上の債務不履行責任(安全配慮義務違反)、不法行為責任といった法的責任が問われる可能性があることを説明しました。
果たして、利用者が新型インフルエンザに感染したことで法的責任が問われることが考えられるのでしょうか。
例えば、次のような事例があったとします。
「利用者のAさんが新型インフルエンザに罹患した。感染ルートは不明であるが、施設としては、介護職員、利用者ともに手洗い、うがいを心がけるように注意をしていたり、消毒を実施したりするなどの対応をしていた。また、介護職員、利用者全員の検査を実施したところ、全員陰性だった。Aさんは、関連する病院に入院して治療したが、不幸にも重症化し、お亡くなりになった。」
この場合施設は責任をとわれうるのでしょうか。
インフルエンザは、飛沫感染等により発症し、施設側で完全に感染を防ぐことは不可能です。施設側としては、手洗い、うがいの励行、消毒の実施等、感染源及び感染経路の対策等事前にできうる範囲の対応は行っていましたので、この事例では、介護契約上の安全配慮義務違反はなく、結果発生を避けることはできなかったとして結果回避義務違反が存在しないとして過失はないという判断がなされ、この事例では施設側には責任はとわれない可能性が高いと思います。
施設が責任をとわれることが考えられるのは、施設側が感染源及び感染経路対策を怠ったと評価される場合、今回の事例で例えるならば、衛生面の管理が不十分でAさんが感染したと考えられるケース、Aさんが罹患したにもかかわらずそのまま施設にとどまらせたため、Bさん、Cさんもインフルエンザに罹患したケースなどが考えられるかと思います。
したがいまして、施設側としては、法的責任を回避するためには、事前策として、手洗い、うがい、消毒等の初歩的な対応から、予防接種の励行、感染者が発生した場合の隔離等も含めたいち早い対応策を講じることを心がけることが必要かと思います。










