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時間外労働の割増賃金率の引き上げについて
2009年09月01日
メールマガジン102号において、労働基準法の一部改正についてご紹介しましたが、この改正に関する厚生労働省令が出されておりますので、今回はその内容のうち、時間外労働の割増賃金率の引き上げに関する部分をご紹介したいと思います。
1か月に60時間を越えて時間外労働をさせた場合に60時間を越えた部分の労働についての割増率がこれまでの2割5分から5割以上になることは前回お知らせしたとおりですが、その計算方法の概要が明らかとなりました。
割増率引き上げの対象は、「1か月について60時間を越えて時間外労働をさせた場合」です。
ここでいう「1か月」の起算日は、毎月1日、賃金計算期間の初日等が考えられますが、これを就業規則に記載する必要があります。就業規則に起算日の定めが無い場合には、賃金計算期間の初日を起算日として取り扱うことになります。
次に、休日労働との関係ですが、法定休日以外の休日における労働は「1か月について60時間」の算定の対象に含めなければならないとされました。労働基準法上は週1回または4週間に4回の休日を与えなければならないとされ、これを法定休日と言いますが、この法定休日以外の休日(例えば週休2日制を採っている場合の土曜日等)は時間外労働の対象となります。例えば、月曜日から土曜日まで毎日8時間勤務した場合には、その週だけで8時間時間外労働を行ったことになります。これを4週間繰り返すと32時間になりますので、平日等も含めそれ以外に28時間の時間外労働を行うと「1か月60時間」の時間外労働を行ったことになり、これを越える部分については5割以上の割増率にしなければならないことになります。法定休日に行った労働については「1か月について60時間」の算定の対象に含まれないとのことですが、この点を明確にするため、就業規則等により、法定休日とそれ以外の所定休日の区別を明確にすることが望ましいとされています。
また、「1か月に60時間」を越えて時間外労働をさせた場合で、その時間外労働が深夜労働となる場合には、時間外労働分の割増率と深夜割増率を足した7割5分以上の率で計算した割増賃金の支払いが必要であることが明らかにされました。
これらの割増賃金率の引き上げについては、一定の要件を満たす中小事業主には当分の間(施行から3年後にあらためて検討されることになっています)、その適用が猶予されることになっていますが、ここでいう「中小事業主」とは、①小売業については、資本金の額もしくは出資の総額が5000万円以下又は常時使用する労働者数が50人以下、②サービス業については、資本金の額もしくは出資の総額が5000万円以下又は常時使用する労働者数が100人以下、③卸売業については、資本金の額もしくは出資の総額が1億円以下又は常時使用する労働者数が100人以下、④その他の業種については、資本金の額もしくは出資の総額が3億円以下又は常時使用する労働者数が300人以下である場合をいいます。
例えば、小売業であれば、法人登記や定款で定められた出資金が5000万円以下であるか、あるいは出資金が5000万円以上であっても常時使用する労働者数が50人以下であれば(これは事業場単位ではなく企業単位で判断されます)、当面の間は現行の割増率でよいということになります。
結局、割増率の引き上げは、当面のところは、ごく一部の大企業に適用されることになります。
割増率の引き上げに対する大企業における今後の運用等に注目しましょう。










