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裁判員制度スタートの陰で

2009年07月23日

弁護士 吉田 友樹示

平成21年5月21日、裁判員制度がスタートし、新聞やテレビのニュースなどで、対象事件一例目が起訴されましたとか、集中審理のための公判前整理手続に入りましたなどの報道がなされているように、何時何処で最初の裁判員裁判がおこなわれるかなどについての関心は未だ高いように思えます。

その陰に隠れてあまり目立ってはいませんが、同日、被疑者国選弁護人制度対象事件が拡大されています。

国選弁護人制度というのは、資力のない人が国の費用で弁護人を付けることができる制度で、勾留中の被疑者についても、利用することができます。

今年の5月21日までは、被疑者国選の対象が殺人や傷害致死など重大事件に限られていましたが、裁判員制度のスタートと同日、その対象が窃盗や傷害、詐欺、覚せい剤の所持や使用といったごく一般的な事件にまで拡大されました。

対象拡大から2カ月程度たち、既に昨年1年間を遥かに超える弁護人がこの被疑者国選制度によって指名されており、被疑者段階で弁護人が付く割合が飛躍的に上がったと言われています。

このこと自体は非常に良いことなのですが、弁護人として活動する人間が増えたにもかかわらず、警察署等にある留置施設の面会室の数は従来通りのままですので、被疑者との接見に行っても、別の弁護人が接見中で且つ何時終了するかわからないという、いわゆる「接見渋滞」という事態が度々発生しており、我々弁護人だけでなく、一般の方々の被疑者等との面会にも影響を与え始めています。

対象事件拡大によってこのような事態は十分予想できたことであり、それに対する準備不足の感は否めませんが、今更それを言っても仕方がありませんので、早急な接見室数の拡大・充実などが国の政策として求められます。

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