労働基準法一部改正
2009年04月23日
労働基準法が一部改正され、平成22年4月1日から施行されます。
厚生労働省のホームページによると、一部改正の目的は、長時間労働を抑制し、労働者の健康確保や仕事と生活の調和を図るということにあり、改正のポイントは大まかに言うと、①時間外労働の割増賃金率の引き上げ、②年次有給休暇の時間単位での取得です。
①の時間外労働の割増賃金率については、これまでは、1日8時間を越える労働に対し、2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりませんでした。そして、この割増率は1か月に何時間の時間外労働をさせても変わりませんでした。
しかし、今回の改正により、1か月に60時間を越えて時間外労働をさせた場合には、60時間を超えた部分の労働についての割増率については、これまでの2割5分ではなく、5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないということになりました。
また、1か月に45時間を越えて時間外労働をさせる場合には、月45時間を越える時間外労働に対する割増賃金率を労使協定に定めなければならないことになり、月45時間を越える時間外労働に対する割増賃金率は2割5分を超える率にするよう努力する義務と月45時間を越える時間外労働をできる限り短くするよう努力する義務が課されることになりました。
②の年次有給休暇の時間単位での取得については、これまでは、法律上は年次有給休暇の取得は1日単位で与えることが原則であり、労働者からの申し出があれば半日単位の年次有給休暇を与えてもよいが、労働者の申し出があったとしても時間単位での年次有給休暇は認められないという取扱いがなされてきました。年次有給休暇の取得は労働者の心身の疲労を回復させることにあるのだから、時間単位で休暇を与えても本来の年次有給休暇の目的にそぐわないため、このような考え方だったのです。
しかし、今回の改正により、事業場単位で労使協定を締結することを前提に、1年に5日分を限度として、年次有給休暇が時間単位で取得できるということになりました。もっとも、年次有給休暇を日単位で取得するか時間単位で取得するかは労働者が自由に選択することができ、労働者が日単位で取得することを希望した場合に、使用者側でこれを時間単位に変更することはできません。
時間単位での年次有給休暇の取得は、労働者の私用による遅刻・早退などの場合に活用されるものと思われます。
これらの改正により具体的な運用をどのようにすべきであるのかは、今後定められる厚生労働省令等をさらに検討する必要がありますが、特に時間外労働の割増賃金率の引き上げは、場合によっては皆様に与える影響が大きいと考えられますので、留意が必要です。
今回の改正に関し、今後さらに詳しいことが分かりましたら、また皆様にお知らせしたいと思います。
なお、今回の改正による時間外労働の割増賃金率の引き上げは、中小企業(資本金が一定額以下の企業等)においては当分の間猶予され、これまでどおりの取扱いでよいということになっております(施行から3年経過後にあらためて検討されることになっています)。また、休日労働と深夜労働の割増賃金率はこれまでどおりであり、今回の改正によっても変更はありません。










