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クレーマー対策マニュアル6

2009年03月11日

弁護士 田代耕平

それでは、前回に引き続きマニュアルに記載すべき事項の③明らかな不当要求に対する類型的な回答方法についてお話したいと思います。

クレームにもさまざまなタイプがあり、また、クレーマー自身も人間であることから様々なタイプがいます。したがって、回答方法に絶対的な正解はありません。

唯一の正解は、明らかに不当な要求に対しては拒絶しかないという結論だけです。

クレームに対する回答方法はクレームが多種多様であることから類型化に馴染まずマニュアル化には適しません。

しかし、そうはいっても実際にクレーマーと対峙する担当者は何らかの指針や具体例がないと自信を持ってうまく対応することができません(もっとも、クレーマーにはどのようにうまく対応しても双方にとっての円満解決はありません)

そこで、類型的な不当要求に対する回答方法を予めマニュアルに記載しておき、担当者にこのような場合にはこのような回答をしても良いのだということを示して、不当要求を拒絶することに自信を持ってもらうという意味においてマニュアル化が有用です。

どのような類型の不当要求をマニュアルに記載するのかは各組織によって収集されたクレーム情報を参考にすることがよいでしょう。

では、どのように回答方法を記載すればよいのでしょうか。

回答方法は、できる限り具体的な事例をもとに具体的な回答方法を記載しなければなりません。たとえば、「ただいまのお客様のご要望に対しては、申し訳ございませんが会社の規則でお応えいたしかねます。どのお客様に対しても同様の対応をさせていただいておりますので、ご理解ください。」等具体的な文言を記載しておくと担当者としては、自信を持って不当要求を拒絶できるようになります。

「言葉使いを丁寧に、誠意をもって対応すること」等の記載だけではマニュアルとしては無意味です。

さらに、明確な拒絶の意思を伝えた後の対応についてもきちんとマニュアルに記載しておくべきです。

明らかな不当要求をしてくるクレーマーは、自己の要求が不当であることを知っています。したがって、明確に拒絶して拒絶の理由を説明しても要求はやみません。ここで担当者は一番苦しむのです。

そこで、このような場合の対応方法をきちんとマニュアルに記載しておかなければならないのです。

たとえば、「担当者としての私ができることとできないことはすでに申し上げた通りです。理由も申し上げております。これ以上お話し合いを続けても当社としての結論は変わりませんので、話し合いを終了させていただきます。今後は、当社の法務担当(若しくは「当社の顧問弁護士」)が対応することになります。」などの回答方法を記載しておくとよいでしょう。(もっとも、このような回答方法は法務担当若しくは顧問弁護士が実際に対応可能であることが前提です。)

そして、最終的には、「すでに、本件は弁護士対応に移行しております。現在、当社顧問弁護士において訴訟手続きの準備中ですので、あなたのご主張は裁判所でお聞きすることになります。したがって、この場ではお話を伺うことはできません。」等の回答方法をマニュアルに盛り込んでおくと担当者は最終的に解決できないときには会社全体で対応することになることがわかり、安心することができるのです。

以上、明らかな不当要求に対する回答方法について述べてきましたが、回答の方法のみによってクレーマーを排除できるものではありません。大切なのは、組織でクレーマー対策制度が確立していることです。

次回は④警備会社・警察へ連絡のタイミング及び方法についてお話しします。

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