クレーマー対策マニュアル4
2009年02月12日
今回は、前回に引き続きクレーマー対策のマニュアル作りについてお話しさせていただきたいと思います。
前回は、クレーマー対策マニュアルの1. クレーマー情報の共有化のために情報伝達方法でしたが、今回はマニュアルに記載すべき2. クレーマー対応方法についてお話します。
さて、マニュアルに記載すべきクレーマー対応方法にはどのようなものがあるでしょうか。
一般的なマニュアルにはクレーマーに対する心構えが記載されていますが、クレーマー対策の心構えについてはメルマガNo.94でお話しさせていただいたので割愛します。
次に、記載されているのは具体的なクレーマー対応方法です。たとえば、○○と言われた時には△△と切り返しましょう等です。しかし、クレーマー対応を経験された方はお分かりかと思いますが、そのような紋切り型の対応方法を記載しても実際に実用するのは非常に難しく、また、様々な属性・性格のクレーマーがいることから具体的な対応方法はマニュアル化にはなじみませんし、クレーマーとのすべての交渉の具体的なマニュアル化は不可能です。
しかし、クレーマー対応の初期対応としてやってはいけないことがあります。そこで、マニュアルには初期対応としてやってはいけないことを具体的に記載すべきです。
では、クレーマーの初期対応にはどのような事項を記載すればよいのでしょうか。どこまで、具体的な記載にするのかは各組織の判断によるかとは思いますが、私が記載すべきと考えるエッセンスは以下のとおりです。
- 誠実な対応
- 事実・要求内容の確認方法
- 明らかな不当要求に対する類型的な回答方法
- 警備会社・警察へ連絡のタイミング及び方法
です。
まず、1. 誠実な対応ですが、クレーマーだからといって馬鹿にしたり、不誠実に対応することはもっての他です(明らかに根拠のないクレーマーであっても同じです。)。クレーマーに不誠実に対応したことによって 2次的なクレームを生み出します(もっとも、クレーマーを特別扱いすることを意味するものではなく、他のお客様と同様の扱いをするということです。)。
この誠実な対応で特に問題となるのは、「たらい回し」と「謝罪」です。
クレーマーのたらい回しは、2次的クレーマ発生の多くの原因となっていますので絶対にしてはならないことです。このたらい回しをしないためには前回お話した「組織で対応する」という心構えを前提にクレーム対応部署を創設することで回避することができます。したがって、マニュアルにはクレーム対応部署へ連絡する要件を記載すべきです。
次に、謝罪についてですが、絶対に謝罪するなというマニュアルを見かけることがあります。しかし、これは誤りです。謝罪することは法的責任を認めたこととは別問題です。初期対応段階での謝罪は、相手方のいう主張(商品の欠陥等によって相手方が損害を被ったなど)が真実であった場合には迷惑をかけて申し訳がなかったという趣旨であって、相手方の主張する事実及び当方の責任を認めるものではありません。
なぜなら、事実関係は初期段階では判明しておらず、今後事実関係の調査が必要不可欠であることが当然であり、そのことは社会の常識だからです。謝罪することは、相手方の主張する事実関係を認めたことでも、責任を認めたことでもありません。したがって、謝罪することは決して間違いではないのです。
謝罪をした後に相手方の主張をさらに証拠関係の存在・不存在を見極めながら5W1Hで確認していくのです。謝罪がないことによってクレーマーから2次的クレームの可能性があることからも謝罪はきちんとすべきなのです。
このようにお話しすると、社会の常識が通用しないのがクレーマーではないのかという指摘を受けるかもしれません。しかし、社会の常識が通じない相手に対しても、社会の常識または法的な対応を行うことで対応するしかないのです。こちらが、社会の常識ないしは法的対応を移管させて行うことがクレーマー被害を最小限にとどめる唯一の方法なのです。
もっとも、謝罪と言っても上記の趣旨の謝罪であって「必ず損害を賠償します」などの発言は慎むべきであって「ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。わざわざ、お電話ありがとうございます。」などにとどめるべきは言うまでもありません。
以上、担当者のクレーム対応方法の1. 誠実な対応について述べましたが、次回は2. 事実・要求内容の確認方法以下についてお話したいと思います。










