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悪質商法と高齢者被害 - 任意後見契約の重要性
2008年11月17日
高齢者の消費者被害の事例があとをたちません。
振り込め詐欺、訪問販売詐欺、リフォーム詐欺など、悪質な事業者は、次から次へと狡猾な手法で、独居や夫婦だけで生活している高齢者を中心にターゲットにしてきます。
これらの悪質な事業者に対しては、特定商取引法や消費者契約法などに基づくクーリングオフを行使することによる契約の解除、不実の告知を理由とする取消などにより、既に支払ったお金を回収することが必要になります。
既に支払ったお金を回収するためには、まず、事業者の住所地に文書を送って、クーリングオフを行使して契約を解除する、契約を取り消すなどにより、既に支払ったお金の返還を請求します。
それでも返還されなければ、事業者の判明している財産を事前に差し押さえる(事業者の預金口座など)、訴訟を提起するなどの手段を通じて、被害の回復ができるようにつとめます。
このためには、事業者の住所、連絡先がわかっていることが不可欠となり、事業者が行方不明となってしまっては、被害の回復は極めて困難になります。
しかし、被害に遭われた高齢者の事情により、被害の回復が困難になる事例があります。例えば、認知症になっているなど、判断能力が不十分になっており、自分一人で法律行為を行ったり、訴訟など法的な手続をしたりする能力が欠けている場合です。
このような場合に、事業者に対して、法的に請求ができるのは、高齢者の能力に応じて家庭裁判所から選任される成年後見人のみになります。
成年後見人とは、高齢者の方の判断能力が不十分になった場合に、かわりに法律行為を行ったり、手助けをしたりする人のことを言います。
被害に遭われた高齢者のご家族が請求することは事実上可能です。
しかし、法律上は、被害が発生しているのは高齢者自身ですので、裁判所に財産の事前の差押や、訴訟を提起するということは、ご家族だけではできませんし、ご家族の意思だけで弁護士にこれらのことを委任することはできません。
そこで、成年後見人の選任が必要になります。
しかし、成年後見人の選任のためには、ご家族等から、家庭裁判所に選任の申立が必要なので、手続的にどうしても時間がかかってしまい、被害の回復が遅れてしまいます。
また、身寄りのないお年寄りは、成年後見人の申立をしてくれる人すらいないため、被害の回復が極めて困難になってしまいます。
このような事態を避けるために、任意後見契約というものを結んでおくことが有用です。
任意後見契約とは、判断能力が十分な状態であるときに、事前に信頼できる第三者を成年後見人として選んでおくことができる制度です。
この制度を利用すれば、実際に判断能力が不十分になった場合に、たとえ独居の方であったとしても、迅速に成年後見人を選任することが可能になります。
悪質な業者は、すぐに業態をかえ、行方がわからなくなることも多いことから、消費者被害の回復は、時間との戦いであるとも言えます。
もちろん、このような被害に遭わないように普段から気をつけていくことが最も重要ですが、自分がもしも被害に遭って、そのときに判断能力が不十分だったら・・・ということに備えて、任意後見契約を締結することを検討することも重要だと考えます。
もっとも、このような業者がまかりとおらない世の中になることが一番なのですがね。










