>
>
ショッピング枠の現金化と債務整理

弁護士ブログ

ショッピング枠の現金化と債務整理

弁護士 石塚 慶如

<フリマサイトで現金が売られている?>

最近、フリーマーケットサイト(フリマサイト)で現金が出品されていたことが話題になりました。しかも、「現金5万円」という商品を6万円で売買するといったように、実際の金額より高額で出品されていたというのです。現在は現金の出品は規約違反として削除されることとなりましたが、その後も商品券やチャージ済みの交通系マネーカードなどに代替されて出品されているのだそうです。

このように一見考えにくい取引が行われている理由は、そのフリマサイトではクレジットカード決済ができ、借入限度額や収入の問題からキャッシングできない人でもショッピング枠を利用して現金を「購入」することができたからです。これにより購入者は実質的に上乗せ分を利息として借入ができ、出品者も利益を得ることができることになります。

これは「ショッピング枠の現金化」の一種といわれています。

<ショッピング枠の現金化とは?>

クレジットカードには一般的にお金を借りる「キャッシング機能」と、カードで商品を購入する「ショッピング機能」があり、それぞれに利用金額の上限が設定されています。そのため、キャッシング枠が上限に達してもショッピング枠が残っている場合には、商品を購入できることになります。そして、購入した商品を売却してお金にしたり、先ほどのように「現金」そのものを購入することでお金を手に入れることを「ショッピング枠の現金化」といいます。

2010年に貸金業法が改正されて「総量規制」という年収に応じて貸付限度額が定められる制度が開始されてから、特に多くなってきた印象があります。

実は、ショッピング機能は、貸付金ではなく「立替金」という種類となるため、改正貸金業法の総量規制が及びません。そのため、年収が低くキャッシング枠が少ない場合でも、ショッピング枠はある程度存在するのです。

<ショッピング枠の現金化の問題点>

もっとも、この方法はクレジットカード規約で認められていないもので、これを行った結果、規約違反として残額一括請求などのペナルティを受けることがあるので行うべきではないでしょう。

債務整理のご相談をお受けすると、ショッピング枠の現金化を行って自転車操業していた話をお聞きすることがあります。そして、キャッシングが不可能となりもはや返済できなくなってからこれを開始することがほとんどと感じます。

ショッピング枠の現金化は、破産手続を行う際にも不利益に取り扱われる可能性があります。破産は、個人の場合には借金を返済する責任を免除してもらうところに大きな目的がありますが、これができなくなってしまう可能性があるのです。その理由は、自転車操業状態で返済できないとわかりながらカードを利用しているため、クレジットカード会社をだましたとされる可能性があるからです。

<銀行のカードローンと現金化の関係>

最近、国会では、銀行の無担保カードローンの融資上限の引き下げや与信審査を厳格化する議論がなされ、その方向で各銀行が融資基準の改正を始めました。銀行は貸金業法の適用除外を受けているため、最初に述べた2010年の改正貸金業法による「総量規制」が及びません。そのため、改正貸金業法施行後は、銀行のカードローンの需要が増加していったのです。ここ最近、テレビで銀行のカードローンのCMが多いと感じるようになったのは、これが原因の一つと考えられます。

今回の銀行借入の審査厳格化により、借入できない方が増加し、先に述べたショッピング枠の現金化による現金の調達が増加するのではないかと危惧されるところです。

<現金化を考える前に一度ご相談を>

返済不可能と思ってからショッピング枠の現金化で資金調達するという方法に頼らず、弁護士に相談して今後の方針を決定する方が、自分にとって不利にならないことが多いと思います。

当事務所では、単に破産手続を行うのではなく、他の方法がないか、家計の見直しにより返済ができないかなどを検討するよう努めています。

弁護士費用を支払う余裕がないという方も、法テラス(日本司法支援センター)による分割支払の制度を利用できる場合が多く、手続も各弁護士の事務所で行うことができます。

このように色々な制度が用意されていますので、活用できるかどうかを含めてぜひ一度弁護士にご確認下さい。

無料法律相談の詳細はこちらをご覧ください

弁護士 石塚 慶如
弁護士 石塚 慶如

ページトップへ戻る