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「養育費が支払われない」という場合には・・・

弁護士ブログ

「養育費が支払われない」という場合には・・・

弁護士 石塚 慶如

皆さんこんにちは。札幌総合法律事務所の石塚慶如です。

今回は、6月上旬に報道などで取り上げられた、養育費等が支払われない場合の対処方法についての法改正の動きのお話と、そもそも養育費とは何かという問題について、わかりやすい言葉でお話ししていきたいと思います。

1 養育費、婚姻費用とは何ですか?

離婚の際に、親権・財産分与、慰謝料などのほかに問題になるのは「婚姻費用」と「養育費」です。

「婚姻費用」とは、結婚中の夫婦が別居しているような場合に、収入の多い方から少ない方に対して支払う生活費のことです。

これに対して「養育費」とは、離婚後に親権者でなくなった方の親が、離れて暮らしている子どものために支払う生活費のことです。

2 養育費・婚姻費用はどれくらい支払う必要があるのですか?

養育費や婚姻費用は、自分と同じ水準の生活ができる程度の金銭を支払う義務とされています。

金額の決定にあたっては、それぞれの収入、子どもの人数や年齢などによって決まることとされており、おおよその金額は裁判所のWEBページに掲載されている算定表で確認することができます(http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/)。

もっとも、養育費等を請求する側、支払う側において、算定表のまま計算することが過酷となるような個別の事情がある場合もあります。

例えば、離婚した元夫が元妻の居住する住宅ローンと元夫自身の家賃を二重に支払っている場合や、子どもの病気などで親権者である母親医療費を多額に支払っているような場合などです。このような場合、裁判所のホームページにある算定表をそのまま当てはめることは難しいため、個別に計算していく必要があります。計算方法には一定のルールがありますので、弁護士に聞いてみたほうがよいでしょう。

3 養育費等を決める際の注意点は?

養育費は、当事者間の合意、裁判所での話合い(調停)、裁判所に決めてもらう(審判)などの方法があります。

このうち、当事者間で合意したのに相手方が支払ってくれないという場合、原則としていきなり差押などの強制執行はできません。

調停や審判といった裁判所を使う手続で養育費等が定められた場合には、裁判所が作成する書面(調停調書や審判書)があることを根拠に差押ができるのですが、当事者間で取り交わしただけの文書にはその効果が認められていません。

そのため、当事者間で養育費の合意をする場合、「公正証書」という書面を作成しておくことで、強制執行ができるようになります。公正証書の作成方法や、それにあたっての準備事項などについても色々なルールがあるため、一度弁護士に相談することをおすすめいたします。

4 強制執行はどこまでうまくいくの?

強制執行(差押)というと、一見すると万能なように思いますが、実際には様々な制約があります。

例えば、預金を差押しようとする場合には、相手方が保有している銀行名と支店名まで特定しなければ、原則として差押ができません。そのため、これらがわからない場合、請求する側で銀行名や支店名を推測して差押しなければならないケースもあります。

このほか、弁護士にご依頼された場合に限りますが、弁護士の職務権限に基づき、金融機関の支店名が不明な場合でも弁護士会を通じて金融機関に照会を行い、預金残高を調査することができる場合もあります。

5 新しい執行制度に変わる可能性も!

現在、法務省が中心となって、強制執行に関する法改正の準備がなされています。改正法が成立すれば、裁判所の権限を使って口座の照会をすることができることになる予定です。これにより、今まで養育費が支払われてこなかった子どもを持つ親が、きちんと養育費の支払いを受けられるようになる可能性があります。

法改正は2、3年後になりそうですが、養育費の支払いでお困りの方は、この新制度の動向なども含めて弁護士に相談してみることもよいでしょう。

札幌総合法律事務所では、養育費や離婚問題など、様々な問題にお困りのお客様のために、お電話による無料相談を実施しております。「ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・」ということでもお気軽にご相談下さい。
<無料電話相談:011-522-6055

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