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自転車事故で困らないためには

弁護士ブログ

自転車事故で困らないためには

弁護士 石塚 慶如

3月になり、少しずつ春の足音が感じられるようになりました。2月下旬頃に京都に行く機会があったのですが、すでに北野天満宮にある梅は開花していました。京都での春の早さを実感するとともに、北海道に本格的な春が訪れるのは、あと1か月くらい先になりそうだと感じました。

北海道にも春が訪れれば、つい先日までの厳冬を忘れるかのようにサイクリングやキャンプ、各種スポーツなどを楽しめるようになります。

せっかく北海道の大自然を満喫するのですから、安心・安全に楽しむことが大切ですが、何事にも「万が一」があるので注意が必要だと常々感じています。

弁護士として日々ご相談をお受けしていると、最近は自転車事故が増えてきている実感があります。新聞やニュースを見ていても、自転車が歩行者を撥ねて大きな怪我をさせたり、歩行者がお亡くなりになられてしまったりするような痛ましい事件もたびたび見聞きするようになりました。

自転車は車と違い免許制度や明確な年齢制限がないため、気軽に利用できる乗り物というイメージがありますが、実際の賠償事例を見てみると、自転車に乗る際でも自動車と同じく絶対に気を緩めてはいけないことがわかります。

例えば、実際の裁判例をみると、自転車運転中の男性がペットボトルを片手に運転し、歩行中の38歳女性を撥ねて死亡させた事案では、6700万円余りの損害賠償が認められています。また、女子高生が携帯電話を操作しながら自転車に乗って歩行中の55歳女性を撥ねて後遺症を負わせてしまった事案では、約5000万円の損害賠償が認められています。

このように、自転車事故でも高額の賠償が認められるケースは数多くあるのです。一見すると、自転車は自動車より事故の衝撃が弱そうだから、賠償額も少なくなるのではないかと思われがちです。しかし、損害賠償の金額は、衝撃の大きさだけでなく、被害者の方の年齢や収入といった事故前に予測できない事情によって左右されることが多いです。例えば、事故による衝突が軽微でも、被害者が外科の開業医で事故によって手がしびれて手術ができなくなってしまったような場合には、損害賠償額は莫大なものになる可能性があるのです。

みなさまは、万が一の事故に備えて何か準備をしていますか。車を運転される方のほとんどは「任意保険」に加入されていると思いますが、自転車の場合はどうでしょうか。

実は、自転車事故やその他日常生活上の事故をカバーするために、「個人賠償責任保険」というものがあります。これは、火災保険や自動車保険などに付いていることがあり、クレジットカードに付帯していることもあります。ただ、多くの方は加入しているかどうか知らないのではないでしょうか。

もしきちんと加入していたとしても、もうひとつ気を付けなければならないことは、「保険金額」(保険会社から支払ってもらえる上限額)です。個人賠償責任保険の保険金額は、数百万円程度から無制限まで幅広く、各保険会社や保険商品によって様々です。そのため、事故を起こした時にたまたま個人賠償責任保険に加入していたとしても、先ほどのように被害者が外科医であったような場合、数百万円程度の保険金額では到底適正金額の賠償を行うことはできないこととなります。

万が一の備えとして、十分な保険金額の個人賠償責任保険に加入することが重要なことと思いますので、ぜひ、ご自身やご家庭の保険について再確認いただければと思います。

札幌総合法律事務所では、紛争発生後のサポートはもちろんですが、このように紛争を予防するためのアドバイスにも力を入れています。「弁護士に相談することではないかも」と思っても、お気軽にぜひ一度ご相談下さい。

弁護士 石塚 慶如
弁護士 石塚 慶如

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